消費市場としての東南アジアで必要なSCM
Publish:
:
日本語 / Japanese SCM
Contents
「カンバン」としてのSCM
部分最適ではなく全体最適
製造業やデパートなどの大規模小売業をドメインとした課題である。そしてこれらは古くから東南アジアで事業を展開している。これらの事業はすでに長い運用の歴史があり、SCMが実際に稼働しているから、事業が稼働しているわけである。
個別のSCMシステムについて、古いとか互換性がないとかカスタマイズをしすぎてスパゲッティになってしまったなど、他のシステムと同じ問題はあろうとは思うが、とにもかくにも動いてはいる。
そしてまた、これらのシステムは全社のSCMシステムに合わせたものであり、古さや互換性やメンテナンスに問題があるのならば、その本質は部分ではなく全体にある。それゆえ、東南アジアやベトナムに固有の問題はあろうとは思うが、その解決の主体はここではない。
今後、財務基準の国際的な統一や、国際間のM&Aの加速など、システムをリニューアルするプレッシャーは高まるであろう。技術的には、オンプレミスからクラウドへの変更が起こると思う。SCMといっても、他のエンタープライズ向けシステムと同じトレンドが同じように起こるだろう。
お馴染のジレンマ
東南アジア固有の課題があるとすれば、ASEAN統合により、今まで「ベトナム」「タイ」「マレーシア」というように国別に作っていたシステムを、この際だから一緒にしましょうという流れだろう。また、「ミャンマー」「カンボジア」もそのASEAN統一プラットフォームでカバーしてしまおうというもの。システムのリニューアルに要するコストと、新市場でのSCM開発に要するコストを、ひとまとめにしてTCOを安くしましょうというものだ。
しかし、東南アジア全域を単一システムでカバーできるほど、「ASEAN経済共同体」は統合レベルが高いのか? と言われると、まだ分からない。ことは日々稼働するシステムであるだけに、疑り深く慎重になるのは当然だろう。リスクが高い。
しかし、ハイリスクを取りに行くからこそハイリターンが得られるのであって、競合が躊躇している間にいちはやく攻めこんでしまうというのも、経営判断である。
つまりこれは、拡張性を取るか安定稼働を取るかという、古典的なジレンマが再現されるだけであるといえる。
Related articles
-
-
シンプルだけど高機能、プロジェクト管理をより円滑にしてくれるツール「Asana」
Asana-最適なプロジェクト管理ツール 近年、プロジェクトをサポートするアプリケ
-
-
良いベトナム人エンジニアを育てるには中堅教育が鍵になる
ベトナム人エンジニアにとってスキル形成とはなにで、どうすればスキルの高いエンジニアを育てることができ
-
-
知られざるベトナムのネット通販について細かく語る(2) – 前提としてのネット通販以前
ベトナムのe-Commerceの状況について、実際に各店舗で購入してみてその利用感を分析してみるのだ
-
-
ベトナムで人気があるスマートフォンはiPhone。でも人気なのはiPhoneの中古品だった。
ベトナムでは中古iPhoneが流行 最近、iPhoneは多くの国で流行っていて、需要が高くなっていま
-
-
知られざるベトナムのネット通販について細かく語る(3) – lazada.vn
オーソドックスな買い物を安心安全に行いたいと、ベトナム最大手のネットショップlazada.vnでCa
-
-
ベトナム鉄道のネット予約方法
正月休暇になると、交通セクターは大変忙しくなります。その中でも鉄道は他の交通手段に比べ、非常に快適で
-
-
年間最大セール「BLACK FRIDAY」のベトナムでの傾向
アメリカにおける年間最大の格安セール「BLACK FRIDAY」。全ての小売業者が黒字に変わると言わ
-
-
ベトナムにおけるクラウドソーシング(1) 概論
ベトナムにおけるクラウドソーシングサービスを紹介していく。第1回は概略でクラウドソーシングそのものの
-
-
ベトナムにおけるクラウドソーシング(2) ベトナム人とクラウドソーシング
ベトナムのクラウドソーシング事情調査の第2回。ベトナムのクラウドソーシング・プラットフォームについて
-
-
友人と食べるとおいしいベトナムの鍋
季節の風が作業室のカーテンをはためかせ、少し肌寒く感じる。リマインダーベルが突然電話を鳴らし、会社で