ベトナムでフランチャイズビジネスは成功するか?
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フランチャイジーはどこにいる?
泥臭いアントレプレナーシップ
ベトナム人はフランチャイジーに向いている。
商売上手で貪欲であり、独立志向が高く、自己流に改善したがる。
と、ベトナムで商用広告写真を提供するWizard Image Processing Co., LTDのCEOの野口氏はいう。
このパーソナリティは、日本の一部のフランチャイズにおける「みなし店長」には向いていないが、分散よりにデザインしたフランチャイズシステムを任せるには、頼もしい人だとはいえる。
さらには、こういった人は、もうちょっと泥臭い素質も必要だろう。それは現地の顔役としての素質である。
前述の細野氏のブログによれば、ベトナム・マクドナルドのフランチャイジーを引き受けたヘンリー・グエン氏は、「たまたま」ズン首相の娘婿であるらしい。本人がそういう以上たまたまそうだっただけなのだろうけれど、やはり一般的には、現地の実情と強いコネを持った人は、フランチャイジーとして望ましいであろう。法体系や商慣習がまだフィックスしていないのならばなおさらである。
ベンチャー・リンク社のビジネスモデル
こういった「現地資本家」の情報を持っているのは、日本だと地銀だ。「現地」という意味でも「資本家」という意味でも。
惜しくも2012年に倒産してしまったが、日本でフランチャイズとフランチャイジーを結びつけるビジネスを展開した草分け的企業に、ベンチャー・リンク社があった。筆者は若い頃にベンチャー・リンク社の創業者の一人と話をさせてもらったことがあるが、彼いわく、ベンチャー・リンクの成長戦略は地銀からの情報提供であったという。
しかし、ベトナムに地銀はない。地銀がないなりに、同様の社会的機能を果たしているネットワークはあると思うので、どうやってそれを見つけ、どうやってそれと協力するかが大切になるだろう。
思い返せば、ベンチャー・リンクの元創業者も、どうやって地銀との関係を築いたのかは教えてくれなかった。そこをどう突破するかは、その人、その時代、その場所によって工夫しなければならないことであって、大切なことは地銀そのものではなかったからだと思う。
ここが突破できればブルー・オーシャンだ。だとすれば、フランチャイズそのものよりも、ベンチャー・リンク社のビジネスモデルのほうが需要があるかもしれない。
FCのためのIT活用
以上を整理すると、ベトナムでフランチャイズ・ビジネスを行うにあたり大切なことは、
- ビジネスモデルを、集中と分散のうち、分散寄りにデザインする。
- 分権化したシステムを運用できるほどのフランチャイジーを探す。
という2点にあるようだ。 これのうち1.を実現するのにシステム・インテグレータが活躍できる領域は大きい。
「分散寄りにデザインする」というのは簡単だが、具体的にそれはどういうことを指すかというと、現場からのフィードバック・ループを太くするということになる。
それはビデオ会議や、ClosedなSNSや、LMSといった形で実装できるのだが、大切なことは個別要素の具体例ではなくて、全体をどのように設計するかである。まさに「システム」だ。
集中と分散はトレード・オフの関係にある。コンピュータシステムの歴史は、この振り子が行ったり来たりしていた歴史だ。だから、コンピュータシステムの過去のデザインパターンには、たいていのものがすでにある。同じパターンを現在の技術でどのように置き換えるかといったことになる。
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