ホーチミン市のごみ処理
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国の工業化が進展する過程において、ゴミの問題というのは必ず出てきます。特にベトナムのような近年、急速に成長した国においては最も憂慮しなければならない問題のひとつと言えるでしょう。こうしたゴミは毎日絶え間なく出るものなので、出来るだけ早く解決するべきです。 一言でゴミといっても様々なものがありますし、国によっても違いますが大体は一般廃棄物と産業廃棄物に分けられます。一般廃棄物は一般家庭や企業の事業活動から生じたゴミで『紙、刈り取った草、ビニール袋、家具、衣類、ボトル、ゴム製品、金属、生ゴミ、ペンキ、電池』などで基本的に有害なものはありません。一方産業廃棄物は『医療廃棄物、化学廃棄物』などで、処理方法が規定されていたり、適切な処理を施さないと爆発性、毒性、感染症のあるものとされています。
一日に家庭や企業から出る一般廃棄物はホーチミン市内だけでなんと約300トンと言われています。この莫大な量の廃棄物は市に深刻な問題をもたらしています。それだけではありません、埋立地があってもこれらの廃棄物の処理には問題が出てくるのです。 いったいなぜなのでしょうか?
この原因は人々の意識の問題だと考えられます。ベトナムでは州政府が都市部のインフラや公衆衛生の向上のために力を入れています。ところが市民に衛生やごみ処理に注意する人はほとんどいません。自分から進んで衛生に気を使ったり、ごみ処理の活動をする人はわずかなのです。現在のベトナムで路上にゴミ袋、ビニール袋、廃棄物が捨てられているのを見るのは珍しいことではありません。ベトナムの人がゴミ処理の重要さを知らないことが見て取れるでしょう。統計によると、一日に排出される、つまり処理しなければならないゴミは35000トンあります(そのうち300トンをホーチミン市が占めています)。ベトナムには358の埋立地がありますがその全てを処理することは出来ません。最終的に処理できるゴミは半分にも満たない40%ほどなのです。だからこそ、ゴミの分別の仕方、指定されたゴミ捨て場所の知識を身につける必要があるのです。産業廃棄物の場合、人体や環境に有害な影響が生じてしまう可能性があるので都市の人民委員会や政府、廃棄物管理会社などが協力して、優先的に処理します。ですがあまりにも量が多く思うように効果が上がりません。そのため、すぐには有害な影響をもたらさないとされる都市固形廃棄物の処理は後回しになります。その排出量は他のゴミとは一線を画し、一日6700トンという驚異的な量となります。さらにそのうち1500~2000トンはリサイクルどころか処理さえされません。しかし、大量の固形廃棄物を迅速に処理しなければならないのもまた避けられない現実です。そのため環境改善を目的とする企業が工場や建設現場からゴミを引き取ったり、固形廃棄物処理の技術プロジェクトに投資したりしています。そのかいあって、ようやくベトナムの固形廃棄の有限責任会社(VWS)はダ・フクに廃棄物処理特区を設けることとなりました。処分方法は埋め立て、堆肥化、リサイクル、バイオガス、電気など多岐にわたり、能率は1万トン/日と非常に高い水準でもってゴミ処理を行えます。まさにゴミ処理の技術プロジェクトの始まりと言えるでしょう。ここまでいろいろなこと書きましたが国の技術発展・技術革新というものは国の政策だけで完結するものではありません。その国に生活する全ての人ひとりひとりがゴミ処理の重要性を知らなければならないのです。
そのために出来ることはたくさんあります。たとえば親が子供に教育したり、学校でも有害廃棄物の危険性を教えたり、ゴミのリサイクルや衛生と人の体の関係などを教えていくべきでしょう。衛生や環境保全の活動をしているグループに参加してみたりするのも良いかもしれません。ゴミというのは全てが不必要なものではなく、無機ゴミと有機ゴミのようにキチンと分類すれば貴重な資源となるのです。
この記事は、vn.jokerpiece.asiaが2014/09/24に公開したVấn đề xử lý rác ở thành phố Hồ Chí Minhを、日本語に翻訳したものです。
https://dict.comtor.jp/van-de-xu-ly-rac-o-thanh-pho-ho-chi-minh/
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